ねじの基礎知識
- 第1章 ねじの表記方法
- 第2章 ねじ形状について
- 第3章 材質・表面処理
- 第4章 ねじ用語について
1-1 ねじの呼び径
ねじの呼び径はねじの寸法を代表する直径で、主としておねじの外径の基準寸法が使われます。おねじとめねじはスムーズにはまる必要があり、実際に測定したおねじ外径は呼び径(おねじ外径の基準寸法)より小さくなります。
メートルねじの外径基準寸法はメートル並目ねじ、メートル細目ねじをそれぞれ参照してください。
インチねじの外径基準寸法は、ユニファイ並目ねじ、ユニファイ細目ねじ、ウィットねじをそれぞれ参照してください。
めねじの場合には、ねじ溝の谷の径に相当しますので測定が困難で、めねじを測定して呼び径を推定する方法はお勧めできません。
もし、・ご自身では判定できない・自信がない等の場合には弊社(下記問い合わせ先)までご連絡ください。
ねじの種類 | 説明 | 参考図 |
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おねじ | ノギスやマイクロメータ等を使いねじの外径を測定します。小数点以下も測定します。 ノギスで測定する場合は先端部分が細くなっているので、この部分で測定すると、ねじ山の間に入り込んで正確に測定できない場合があり、要注意です。 定規やものさしは、測定誤差が大きく、呼び径の測定にはお勧めできません。 |
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めねじ | めねじの内径は、ねじの呼び径ではありません。めねじから呼び径を推定する場合には、右図の部分の径を測定する必要がありますが、この方法は誤差が大きく、お勧めできません。 |
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1-2 ねじのピッチ
ピッチはねじ山の間隔ですから、マイクロスコープ等で山から山の間隔を測定すれば特定できます。しかしながら、測定の手間等を考慮して、表1-2のような方法が考えられます。
メートルねじのピッチはメートル並目ねじ、メートル細目ねじをそれぞれ参照してください。
インチねじのピッチは、ユニファイ並目ねじ、ユニファイ細目ねじ、ウィットねじをそれぞれ参照してください。ユニファイねじのようなインチねじの場合には、1インチ(25.4mm)あたりの山数で規定されていますので、ミリメートルであらわすと半端な数字となります。
もし、・ご自身では判定できない・自信がない等の場合には弊社(下記問い合わせ先)までご連絡ください。
ねじの種類 | 説明 | 参考図 |
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おねじ |
○ピッチゲージ 複数のピッチゲージがセットになっています。ミリメートルのピッチで表示されたメートルねじ用、山数で表示されたインチねじ用のピッチゲージが市販されています。 所定のピッチゲージを測定するねじ山にあてがい、ゲージの山とねじ山がぴったりとあえば、そのときのピッチゲージのピッチ表示で特定できます。 ○既知のサイズのねじによる簡易的方法 ピッチゲージがない場合は、呼び径とピッチが分かっているおねじをピッチゲージ代わりにして使用します。 また、呼び径とピッチが分かっているめねじをはめてみて、ガタがなく、かつスムーズに挿入できるかどうかで判定する場合もあります。但し、あくまでも簡易的な方法で、サイズの確定はできません。 ○リングゲージ 所定の呼び径、ピッチに対応したねじ用限界ゲージ(リングゲージ)で、通り側が無理なく通り、止り側が2回転を超えてねじ込まれなければ、その規格であることが判定できます。 上記のピッチゲージ等の方法では、ねじ山の角度までは判定できないので、リングゲージを使うと、かなり正確にねじの規格を特定できます。 リングゲージは、おねじを製作するときに有効径や外径が適切に作られているかをチェックするもので、本来はピッチの検査に使用するものではありません。また価格も結構高価なものです。 |
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めねじ |
めねじの場合はピッチゲージが入らないか、入っても判定しづらく、あまりお勧めではありません ○既知のサイズのねじによる簡易的方法 呼び径とピッチが分かっているめねじをはめてみて、ガタがなく、かつスムーズに挿入できるかどうかで判定します。但し、あくまでも簡易的な方法で、サイズの確定はできません。 ○プラグゲージ めねじのピッチは、呼び径、ピッチに対応したねじ用限界ゲージ(プラグゲージ)を使用して、通り側が無理なく通り、止まり側が2回転を超えてねじ込まれなければ、その規格であることが判定できます。 プラグゲージは、めねじを製作するときに有効径や外径が適切に作られているかをチェックするもので、本来はピッチの検査に使用するものではありません。また価格も結構高価なものです。 |
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1-3 ねじの呼び長さ
おねじの呼び長さは、種類により測定する場所が違い、主に頭部の形状の違いで、表1-3で示された部分を測定します。呼び長さは代表的寸法で、実際の寸法には許容差があります。
呼び長さが短いものはノギスが適していますが、長さが長くなるとノギスでは測れないため、その場合には、端から目盛が付けられたステンレススケール等でも測定できます。さらに長さが長い寸切のようなねじはコンベックス等で測ります。
もし、・ご自身では判定できない・自信がない等の場合には弊社(下記問い合わせ先)までご連絡ください。
ねじの種類 | 説明 | 参考図 |
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六角ボルト 六角穴付きボルト 小ねじ等 |
ねじ座面が軸部と垂直な面をもっているねじ。座面からねじ先端までの距離で指定します。 |
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皿小ねじ 丸皿小ねじ 六角穴付き皿ボルト等 |
ねじ座面が円すい状のねじ。皿頭のねじは頭部上面からねじ先端までの距離で指定します。丸皿頭は頭上部の丸みを帯びた部分を除き、皿頭の場合と同様に指定します。 |
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六角穴付き止めねじ 寸切り等 |
頭部がないねじ。全長を指定します。 |
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その他の呼び長さ例 | JIS B 1173の植込みボルトは上記とは異なった指定をします。 |
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1-4 ねじの代表的な規格
一般に流通しているねじのねじ山は規格にしたがって作られています。日本国内で広く流通している主なねじの規格には表1-4のように、メートル並目ねじ、メートル細目ねじ、ユニファイ並目ねじ、ユニファイ細目ねじがあります。この中で日本国内でもっともよく使われているねじ山の規格が「メートル並目ねじ」です。海外製品にはユニファイねじが使われている場合があります。また表1-5にあるように、ウィットねじはJISから除外されましたが、建築用として現在でも使われています。
タッピンねじ、木ねじなどのねじ山は、それぞれ個別のJISで規定されています。
ねじの規格 | 説明 | 表記方法例 | JIS |
---|---|---|---|
メートル並目ねじ | 直径及びピッチをミリメートルで表したねじ山の角度60度の三角ねじです。日本国内では、もっとも広く流通しています。 ホームセンターで販売されているような一般的なねじは、メートル並目ねじが多いです。基準寸法の一覧はこちらを参考にしてください。 |
M10 M12 |
JIS B 0205 |
メートル細目ねじ | 直径及びピッチをミリメートルで表したねじ山の角度60度の三角ねじです。メートル並目ねじよりピッチが細かいものです。 自動車関連の部品や振動による緩みを抑えたい部位等で使われています。基準寸法の一覧はこちらを参考にしてください。 |
M10×1.25 M12×1.25 |
JIS B 0205 |
ユニファイ並目ねじ | アメリカ・イギリス・カナダの3国が軍事上の必要から協定してできたねじで、ねじ山の角度が60度のインチねじです。アメリカ製等の海外製品でよく使われています。 直径をインチであらわし、ピッチは1インチあたりのねじ山の数であらわします。呼び径が1/4未満のものはNo.あるいは#の番号であらわします。基準寸法の一覧はこちらを参考にしてください。 |
No.6-32UNC 3/8-16UNC |
JIS B 0210 |
ユニファイ細目ねじ | アメリカ・イギリス・カナダの3国が軍事上の必要から協定してできたねじで、ねじ山の角度が60度のインチねじです。アメリカ製等の海外製品でよく使われています。 直径をインチであらわし、ピッチは1インチあたりのねじ山の数であらわします。並目ねじよりもピッチが細かいねじです。呼び径が1/4未満のものはNo.あるいは#の番号であらわします。基準寸法の一覧はこちらを参考にしてください。 |
No.6-40UNF 3/8-24UNF |
JIS B 0212 |
その他ねじ山の規格を表1-5にまとめました。
ねじの規格 | 説明 | 表記方法例 | JIS |
---|---|---|---|
ウィット並目ねじ | ねじ山の角度が55度のインチねじです。この規格はすでに廃止されていますが、現在でも建築関係等のねじではよく使われていますので、ホームセンターでも入手できます。 ウィット細目ねじの規格もありますが現在はほとんど使用されていません。基準寸法の一覧はこちらを参考にしてください。 |
W3/8 | JIS B0206-1965 |
タッピンねじのねじ部 | 日本国内で流通しているタッピンねじはJIS B 1007附属書で規定されたもので、ISO1478によらないタッピンねじのねじ部1種~4種というものです。現在この附属書は廃止されています。 弊社ではタッピン1種をタッピンA、タッピン2種をタッピンB、タッピン3種をタッピンCと呼びます。 タッピンBとタッピンCには溝付と溝なしがあり、それぞれのタッピンの溝付はタッピンB-1、タッピンC-1といい、それぞれのタッピンの溝なしは、タッピンB-0、タッピンC-0といいます。 タッピンねじの詳細はこちらを参照してください。 |
呼び径4 | JIS B 1007-2003附属書1 | 十字穴付き木ねじ | 一般に用いる鋼製、ステンレス鋼製及び黄銅製の十字穴付き木ねじです。すりわり付き木ねじはJIS B 1135で規定されています。 |
呼び径3.8 | JIS B 1112 |
管用平行ねじ | 管、管用部品、流体機器などの接合において、機械的結合を主目的とするねじに使われます。 |
G3/8 | JIS B0202 | 管用テーパねじ | 管、管用部品、流体機器などの接合において、ねじ部の耐密性を主目的とするねじに使用されています。配管や配管継手などに多く使われています。 |
R3/8、Rc3/8、Rp3/8 | JIS B0203 |
メートル台形ねじ | 山の頂と谷底の切取りが大きい対称断面形のねじをもち、直径及びピッチをミリメートルで表した、ねじ山の角度が30度のねじです。 回転運動を直線運動に変換して、テーブル等をスライドさせるために使われます。 |
Tr40×7 | JIS B 0216 |
自転車用ねじ | JIS D 9111に規定されている自転車に用いるねじについて規定しています。 |
BC3/8 | JIS B 0225 |
1-5 ねじの呼び方
表1-4に記載の一般的に広く用いられているねじについて、おねじ類、めねじ類、座金類の呼び方をご紹介します。JISで規定されている正式な呼び方ではありませんが、通常は問題ありません。
表1-6のように、おねじの場合には、材質、表面処理、ねじの種類、ねじの呼び(ねじの呼び径、ピッチ)×ねじの呼び長さで指定します。めねじや座金等の場合には、ねじの長さは必要ありませんので、材質、表面処理、ねじの種類、ねじの呼び(ねじの呼び径、ピッチ)を指定します。ただし、特殊な形状で表1-6には当てはまらないものもあり、これらを表1-7に記載します。
ねじの種類については多品種ありますので、第2章の2-2項「ねじのドライバ穴(リセス)の形状」、2-3項「ねじの頭部形状」、2-4項「ねじの先端形状」、あるいは、弊社ショッピングサイトの定番ショッピングやカタログショップをご参照ください。また、材質・表面処理については、第3章をご参照ください。
ねじの用語については、第4章「ねじ用語について」をご参照ください。
ねじの種類 | ねじの規格 | 説明 | 例 |
---|---|---|---|
おねじ類 | メートル並目ねじ | 材質_表面処理_おねじの種類_ねじの呼び径×呼び長さ 呼び径と呼び長さは単位がミリメートルとなります。呼び径は、径を表す数字の前にアルファベットのMをつけます。 並目ねじの場合には、ねじのピッチは指定しても、指定しなくても、どちらでもよいです。ねじのピッチを指定しない場合には並目ピッチと判断します。 |
・鉄 ユニクロ 六角ボルト(全ねじ) M10×50 ・ステンレス 十字穴付きなべ小ねじ M3×10 |
メートル細目ねじ | 材質_表面処理_おねじの種類_ねじの呼び×呼び長さ ねじの呼びは、呼び径とねじのピッチを指定します。呼び径、ピッチ、呼び長さは単位がミリメートルとなります。呼び径は、径を表す数字の前にアルファベットのMをつけます。 ねじのピッチは必ず指定する必要があります。細目ねじには「細目」「極細目」等がありますので、「細目」だけではピッチを判断できません。 |
・鉄 ユニクロ 六角ボルト(全ねじ)細目 M10×1.25×50 ・鉄 ユニクロ 六角ボルト(全ねじ)細目 M10×50 ピッチ1.25 ・ステンレス 生地 六角穴付きボルト細目 M16×50 P=1.5 |
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ユニファイ並目ねじ | 材質_表面処理_おねじの種類_ねじの呼び×呼び長さ ねじの呼びは、呼び径と山数及び最後に「UNC」という文字を記入します。呼び径と呼び長さは共に単位がインチとなります。山数は1インチ当たりの山数で指定します。 呼び径が1/4以上の場合は分数表記で指定します。 呼び径が1/4未満のときはNo.(あるいは#)表記(No.0~No.12、#0~#12)で指定します。 |
・鉄 三価ホワイト 十字穴付き小ねじ(PAN) No.6-32UNC×1/4 ・ステンレス 生地 十字穴付き小ねじ(FLAT) 1/4-20UNC×1/2 ・ステンレス 生地 六角穴付きボルト #2-56UNC×1/8 |
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ユニファイ細目ねじ | 材質_表面処理_おねじの種類_ねじの呼び×呼び長さ ねじの呼びは、呼び径と山数及び最後に「UNF」という文字を記入します。呼び径と呼び長さは共に単位がインチとなります。山数は1インチ当たりの山数で指定します。 呼び径が1/4以上の場合は分数表記で指定します。呼び径が1/4未満のときはNo.(あるいは#)表記(No.0~No.12、#0~#12)で指定します。 |
・鉄 ユニクロ 六角穴付きボルト 5/16-24UNF×1"1/4 ・鉄 三価ホワイト 十字穴付き小ねじ(PAN) No.6-40UNF×1/4 ・ステンレス 生地 六角穴付きボルト #2-64UNF×1/8 |
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ウィットねじ | 材質_表面処理_おねじの種類_呼び径×呼び長さ 呼び径の単位はインチで、分数で表記します。呼び長さは通常はミリメートルで表記します。呼び径は径をあらわす数字の前にアルファベットの「W」をつけます。 |
・鉄 ユニクロ 六角ボルト(全ねじ) W3/8×32 ・ステンレス 六角ボルト(半ねじ) W3/4×100 |
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めねじ類 | メートル並目ねじ | 材質_表面処理_めねじの種類_呼び径 呼び径は単位がミリメートルです。呼び径は径を表す数字の前にアルファベットのMをつけます。 ねじのピッチは指定しても、指定しなくても、どちらでもよいです。ねじのピッチを指定しない場合には並目ピッチと判断します。 |
・ステンレス 生地 六角ナット M12 ・鉄 三価ホワイト 袋ナット M10 |
メートル細目ねじ | 材質_表面処理_めねじの種類_ねじの呼び ねじの呼びは、呼び径とねじのピッチを指定します。呼び径とピッチは単位がミリメートルです。呼び径の数字の前にアルファベットのMをつけます。 ねじのピッチを必ず指定する必要があります。細目ねじには「細目」「極細目」等がありますので、「細目」だけではピッチを判断できません。 |
・ステンレス 生地 六角ナット細目 M12ピッチ1.25 ・鉄 三価ホワイト 六角ナット極細目 M10P=0.75 |
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ユニファイ並目ねじ | 材質_表面処理_めねじの種類_ねじの呼び ねじの呼びは、呼び径と山数及び最後に「UNC」という文字を記入します。呼び径は単位がインチとなります。山数は1インチ当たりの山数で指定します。 呼び径が1/4以上の場合は分数表記で指定します。 呼び径が1/4未満のときはNo.(あるいは#)表記(No.0~No.12、#0~#12)で指定します。 |
・鉄 ユニクロ 六角ナット 1/4-20UNC ・ステンレス 生地 袋ナット #6-32UNC ・ステンレス 生地 六角ナット No.10-24UNC |
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ユニファイ細目ねじ | 材質_表面処理_めねじの種類_ねじの呼び ねじの呼びは、呼び径と山数及び最後に「UNF」という文字を記入します。呼び径は単位がインチとなります。山数は1インチ当たりの山数で指定します。 呼び径が1/4以上の場合は分数表記で指定します。呼び径が1/4未満のときはNo.(あるいは#)表記(No.0~No.12、#0~#12)で指定します。 |
・鉄 三価ホワイト 六角ナット 3/8-24UNF ・ステンレス 生地 六角ナット #6-40UNF ・ステンレス 生地 袋ナット No.10-32UNF |
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ウィットねじ | 材質_表面処理_めねじの種類_呼び径 呼び径の単位はインチで、分数で表記します。呼び径の前にアルファベットの「W」をつけます。 |
・鉄 生地 六角ナット W1"1/2 ・鉄 三価ホワイト 六角ナット3種 W3/4 |
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座金類 | メートル並目ねじ、細目ねじ | 材質_表面処理_座金の種類_呼び径 座金はおねじにはめて使用するため、座金の内径はおねじ外径に対してゆるく作られています。 呼び径が同じであれば、メートル並目とメートル細目の区別はありません。通常はねじの呼び径で指定します。 平座金の場合には、規格の違いにより「JIS」「JIS小型」「ISO」「ISO小型」等があります。特に指定がない場合には弊社では一般普及品として、「JIS」(呼び方はJISですが、実際には旧JISの規格となります。)を出荷します。 |
・ステンレス 生地 平座金 M12 ・鉄 三価ホワイト スプリングワッシャー M10 |
ユニファイ並目ねじ、細目ねじ | 材質_表面処理_座金の種類_呼び径 ユニファイ用の座金類は、日本国内では入手性がよくないので、通常はメートルねじ用の座金で代用します。 |
・鉄 ユニクロ 平座金 1/4-20 UNC用 ・ステンレス 生地 スプリングワッシャー #6-32 UNC用 |
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ウィットねじ | 材質_表面処理_座金の種類_呼び径 呼び径の単位はインチで、分数で表記します。呼び径の前にアルファベットの「W」をつけます。 品揃えが少ないため、サイズによってはメートルねじ用で代用する場合があります。 |
・鉄 生地 平座金 W3/8 ・鉄 三価ホワイト スプリングワッシャー W1/2 |
表1-6の一般的なねじの呼び方では指定できない品種もあります。一例を表1-7に示します。
ねじの種類 | ねじの規格 | 説明 | 例 |
---|---|---|---|
めねじ類 | 高ナット(長ナット) | 材質_表面処理_高ナット_ねじの呼び×ナットの高さ 高ナットは、通常のナット類と異なり、ねじの呼びだけでなく、ナットの高さを指定する必要があります。 |
・ステンレス 生地 高ナット M12×50 ・鉄 ユニクロ 高ナット M10×30 |
座金類 | 平座金(特寸) | 材質_表面処理_平座金_呼び径(内径)×外径×厚み 内径、外径、厚みの違いによりさまざまな種類があります。 |
・ステンレス 生地 平ワッシャー 6×20×1.0 ・鉄 ユニクロ 平座金 10.5×16×0.8 |
1-6 ピン類の呼び方
ピン類の規格はJISをはじめとして、旧JISや、メーカー規格が混在していますので、サイズの特定の仕方は一概には言えません。表1-3に掲載したものは、主に弊社の在庫品を中心に解説しておりますので、他の販売店とは規格が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
もし、・ご自身では判定できない・自信がない等の場合には弊社(下記問い合わせ先)までご連絡ください。
ねじの種類 | 説明 | 参考図 |
---|---|---|
平行ピン | 材質_平行ピンA種(あるいはB種)_呼び径×呼び長さ JIS B 1354-1998で規定されていた平行ピンです。弊社で取り扱っている平行ピンはA種、B種で形状が右図のようになります。A種は直径の公差域クラスがm6、B種は直径の公差域クラスがh8のものです。両者とも呼び長さは全長です。 呼び径が同じでもA種とB種により公差域クラスが違い、A種は呼び径よりもプラス側に、B種は呼び径よりもマイナス側に振れています。直径の測定はマイクロメータで測定します。ノギスでは測定できません。 弊社で取り扱いの平行ピンB種の直径の公差域クラスは、JISではh8で規定されていますが、実際にはh7で製作されています。 材質はS45CとSUS303です。 最新のJIS B 1354-2012ではA種、B種ともに、右図の(b)タイプの形状に改正されていますが、弊社では取り扱っていません。 |
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テーパピン | 材質_テーパピン_呼び径×呼び長さ 規格の違いにより、呼び長さを(a)テーパ部の長さで指定するものと、(b)全長で指定するものがあります。弊社では(a)テーパ部長さで指定するものを取り扱っています。 呼び径は細い方の直径を指定します。テーパになっているので、ノギス等では正確に測定できませんが、呼び径が1mm(あるいは0.5mm)刻みのため、ノギスでも呼び径を推定できます。 材質はS45C、S45C-Q(調質熱処理品)、SUS303です。 |
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めねじ付きテーパピン (内ねじ付きテーパピン) |
材質_めねじ付きテーパピン_呼び径×呼び長さ 規格の違いにより、呼び長さを(a)全長で指定するものと、(b)テーパ部の長さで指定するものがあります。 呼び径は細い方の直径を指定します。テーパになっているので、ノギス等では正確に測定できませんが、呼び径が1mm(あるいは0.5mm)刻みのため、ノギスでも呼び径を推定できます。 材質はS45CとS45C-Q(調質熱処理品)です。 弊社で取り扱いの商品は、主に次のようになっていますが、例外もありますので、詳細はお問い合わせください。 S45C-Q:(a)全長で指定。 |
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おねじ付きテーパピン (外ねじ付きテーパピン) |
材質_おねじ付きテーパピン_呼び径×呼び長さ 規格の違いにより、呼び長さを(a)全長で指定するものと、(b)テーパ部の長さで指定するものがあります。 呼び径は細い方の直径を指定します。テーパになっているので、ノギス等では正確に測定できませんが、呼び径が1mm(あるいは0.5mm)刻みのため、ノギスでも呼び径を推定できます。 材質はS45CとS45C-Q(調質熱処理品)です。 弊社で取り扱いの商品は、主に次のようになっていますが、例外もありますので、詳細はお問い合わせください。 S45C-Q:(a)全長で指定。 |
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スプリングピン (ロールピン) |
材質_スプリングピン_呼び径×呼び長さ 呼び径は挿入する穴の径で指定されていますので、実際に測定すると、コンマ数mmほど大きくなっています。詳細の直径サイズはそれぞれの商品の規格表を参照ください。 呼び長さは全長を指定します。 材質は一般用では鉄鋼(ばね鋼)、SUS420J2で、軽荷重用はSUS304-CSPです。ステンレス製の形状は波形スプリングピンとなります。但し、弊社の在庫品は、鉄鋼、ステンレス共に一般用のみです。 |
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割りピン | 材質_メッキ_割りピン_呼び径×呼び長さ 呼び径は右図のd部を測定します。割りピンの呼び径は挿入する穴の直径になっていますので、実際に測定した値は呼び径よりもコンマ数mmほど小さくなります。呼び長さは、首下から短い方の先端までを指します。 弊社の在庫品の材質は鉄とステンレスです。鉄の場合には生地、ユニクロ、クロメートを在庫しています。 |
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2-1 ねじ部形状
ねじ部の形状を表2-1、表2-2、表2-3に示します。
ねじの種類 | 説明 | 参考図 |
---|---|---|
おねじ | ねじ山が円筒又は円すいの外面にあるねじ。 |
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めねじ | ねじ山が円筒又は円すいの内面にあるねじ。 |
ねじの種類 | 説明 | 参考図 |
---|---|---|
平行ねじ | ねじ山が円筒の外面又は内面にあるねじ。 |
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テーパねじ | ねじ山が円すいの外面又は内面にあるねじ。 |
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ねじの種類 | 説明 | 参考図 |
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右ねじ | 軸方向に見たとき、時計回り(右回り)にたどれば、その人から遠ざかるようなねじ。 |
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左ねじ | 軸方向に見たとき、逆時計回り(左回り)にたどれば、その人から遠ざかるようなねじ。 |
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市場で流通しているねじ類を上記の表2-1,表2-2,表2-3の組み合わせで分類すると表2-4のようになります。
ねじの種類 | 説明 |
---|---|
小ねじや六角ボルト | 「おねじ-平行ねじ-右ねじ」。限られた用途で「おねじ-平行ねじ-左ねじ」 |
六角ナット | 「めねじ-平行ねじ-右ねじ」。限られた用途で「めねじ-平行ねじ-左ねじ」 |
配管の継手(管用ねじ) | 「おねじ-平行ねじ-右ねじ」、「めねじ-平行ねじ-右ねじ」 |
2-2 ねじのドライバ穴(リセス)の形状
ねじ部品のドライバ穴の形状についてJIS B 0101から抜粋し、掲載しました。
ねじの規格 | 説明 | 参考図 |
---|---|---|
すりわり | ねじ回しの先端を差し込んでねじ部品を回転するために設けた溝。 |
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十字穴 | ねじ回しの先端を差し込んでねじ部品を回転するために設けた十字形のくぼみ。 |
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六角穴 | 断面が六角形の棒スパナを差し込んでねじ部品を回転するために設けた六角断面形のくぼみ。 |
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四角穴 | 断面が四角形の棒スパナを差し込んでねじ部品を回転するために設けた四角断面形のくぼみ。 |
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いたずら防止ねじの主なドライバ穴(リセス)形状を表2-6にまとめました。
ねじの規格 | 説明 | 参考図 |
---|---|---|
ラインヘッド(LH) | オーエスジーが開発した、LHスティックスシステムの一つ。トルク伝達部が、ねじ頭の外周にあるもの。締め付け部がテーパになっているため、ビット、ドライバとの付着性がよい。 (例) |
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ライン穴(LR) | オーエスジーが開発した、LHスティックスシステムの一つ。トルク伝達部が、ねじ頭の内周にあるもの。。締め付け部がテーパになっているため、ビット、ドライバとの付着性がよい。 (例) |
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ピン六角 | 六角穴の中心にピンがついたもの。 (例) |
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ピントルクス | トルクスの中心にピンがついたもの。 (例) |
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ワンサイド | 締めるときには引っかかりがあるが、緩めるときには、引っかかりがなく外せない。 (例) |
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トライウィング | 3方向に溝が彫られている。 (例) |
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トライクル | おむすび形の形状で、中心にピンがついている。AタイプおよびBタイプがある。 (例) |
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ツーホール | 2つの穴が開いている。 (例) |
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2-3 ねじの頭部形状
ねじの主な頭部形状を主にJIS B 0101から抜粋し、表2-7に掲載しました。
ねじの規格 | 説明 | 参考図 |
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六角(頭) | 六角形の頭 (例) |
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四角(頭) | 四角形の頭 (例) |
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丸(頭) | 半球形に近い頭 (例) |
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なべ(頭) | 上面の角に丸みの付いた平頭。 ユニファイねじ、ドリルねじ等では「PAN」という場合もある。 (例) |
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平(頭) | たけの低い円筒形の頭 (例) |
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皿(頭) | 上面が平らで座面が円すい形の頭 (例) |
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丸皿(頭) | 上面に丸みの付いた皿頭 (例) |
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トラス(頭) | 小ねじに多く用いられるもので、丸頭より高さが低く、外径が大きい頭。 (例) |
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バインド(頭) | 上面に丸みの付いた径の大きな頭。電線などを締付けるのに便利なように座面にくぼみがあるものもある。 (例) |
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プレジャ(頭) | タッピンねじに多く用いられ、丸頭とトラス頭との中間の形状の頭。 (例) |
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トランペット(頭) | 皿頭のテーパ座面部が円弧状になっている頭。ラッパ頭と呼ぶこともある。 (例) |
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すりわり付き(頭) | すりわりを入れた頭 (例) |
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十字穴付き(頭) | 上面に十字形のくぼみがある頭 (例) |
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六角穴付き(頭) | 上面に六角形の穴がある頭 (例) |
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トルクス | 上面に星型の穴がある頭。トルクスは商標のため、ヘクサロビュラ、ヘクスローブと呼ぶ場合もある。 (例) |
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フランジ付き六角(頭) | 頭部座面の面積を大きくするため、直径が六角対角距離より大きい円すい状のつばをもつ六角頭。 (例) |
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2-4 ねじの先端形状
ねじの先端形状をJIS B 0101から抜粋し、表2-8に掲載しました。
用語 | 説明 | 参考図 |
---|---|---|
あら先 | ねじ先端部が転造加工のままで、面を取っていないもの。 (例) |
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面取り先 | ねじ部先端面が切断のままで、端部の角をほぼねじの谷の径まで面を取ったもの。 (例) |
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丸先 | ねじ部先端に丸みを付けたもの。 (例) |
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平先 | ねじ部先端に45度の面取りを施し、端面を平らに加工したもの。 (例) |
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棒先 | ねじ部先端に、ねじの呼び径の1/2に等しい長さの円筒部があるもの。 (例) |
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とがり先 | ねじ先端部を90度の円すい状にとがらし、先端をわずか切り取ったもの。 (例) |
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くぼみ先 | ねじ部端面の中央に、くぼみを付けたもの。 (例) |
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3-1 ねじの材質
ねじに使われる主な材質を表3-1に掲載しました。詳細はこちらを参照ください。
名称 | 説明 | 画像 |
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鉄鋼 | 一般的に「鉄」と呼ばれますが、ねじで使われる「鉄」は、純粋な鉄ではなく、鉄と炭素の合金で、「鋼」と呼びます。炭素の他にケイ素、リン、硫黄等の微量成分が入っています。 「鋼」にはS45C、SWCH等の炭素鋼、SCM435等の合金鋼があります。SWCHはボルト、小ねじなど焼入れをしないねじに広く使用されます。 S45C、SCM435は熱処理で硬度を上げることができます。S45Cは強度区分が比較的小さなボルトに使用され、SCM435が強度区分が大きい10.9、12.9等のボルトに使用されます。 タッピンねじの材料は、焼き入れできないSWCHが使用されますが、ねじの表面に炭素を含有させてから焼入れし、表面のみ硬度を上げる、浸炭焼入れが施されます。 ねじの材質でSS(あるいはSS400)という名称がいわれますが、実際にはSWCH等の材料を使用していることが多いです。 鉄鋼材料の詳細はこちらをご覧ください。 |
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ステンレス鋼 | 鉄にニッケルやクロムを含有した合金鋼です。含有成分により「オーステナイト系」「マルテンサイト系」「フェライト系」、近年では「オーステナイト・フェライト系(二相系)」があります。 「オーステナイト系」ではSUS304(18クロムー8ニッケル)がよく知られており、耐食性にすぐれています。小ねじ等の材料としては、SUS304に銅を添加し、冷間加工性を向上させたXM7という材料が広く使用されています。オーステナイト系のなかには熱処理により硬度が上げられる「析出硬化系」もあります。 「マルテンサイト系」は焼き入れにより硬度を上げることができる材料です。タッピンねじなどに使われるSUS410(13クロム)が知られています。 ステンレス鋼の詳細はこちらをご覧ください。 |
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真鍮 | 銅に亜鉛を含有した銅合金です。展延性に優れていて様々な用途で使われています。真鍮は空気中で次第にさびが発生し、輝きがなくなり、くすんだ色に変色しますが、鉄のように腐食が進行して、朽ちることはありません。 ボルト、小ねじはC2700W(65/35黄銅)が使われます。ナット類には、鉛を添加して、切削加工をしやすくしたC3602、C3604(快削黄銅)が使用されます。C2680は真鍮の板材で平ワッシャー類に使用されます。 真鍮の小ねじと組み合わせて使用するスプリングワッシャーは、バネ性をもつ必要があり、銅にスズと少量のリンを加えたリン青銅が用いられます。 |
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チタン | 鉄の60%程度の質量で軽く、鋼に匹敵する強度を持つ金属です。耐食性が高く、錆にも強い特徴があります。純チタンや64チタン(チタンに6アルミニウムー4バナジウムを添加)等がありますが、ねじでは比較的加工がしやすい純チタンが広く使用されています。 チタンは酸化皮膜の厚みを調整することでさまざまな色を発色することができます。 上画像は生地のチタン、下画像はチタンの酸化皮膜による発色処理品。 |
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アルミニウム | 小ねじやワッシャーに使用されるのは、アルミニウムにマグネシウム等を添加した、アルミニウム合金A5056等です。平ワッシャーは純アルミニウムのA1050等です。 アルマイト処理で酸化皮膜を作ることで、耐腐食性、耐磨耗性を向上させることができます。アルマイト処理後に着色も可能で、装飾品に利用されます。上画像は生地のアルミニウム、下画像はアルマイト処理+着色処理品。 |
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3-2 ねじのメッキ・表面処理
ねじに使われる主なメッキ、表面処理を表3-2に掲載しました。詳細はこちらを参照ください。
名称 | 説明 | 画像 |
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ユニクロ | 電気亜鉛メッキをした後に、クロメート処理を施して、耐食性、装飾性を向上させています。光沢クロメートといい、色調は青みがかった銀色です。通常は鉄に施されます。 六価クロムを含有しているのでRoHS指令の規制対象となり、近年は後述の三価ホワイトに置き換えられつつあります。 |
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クロメート | 電気亜鉛メッキをした後に、クロメート処理を施して、耐食性を向上させています。有色クロメートといい、色調は虹色がかった金色です。耐食性はユニクロよりも優れています。通常は鉄に施されます。 六価クロムを含有しているのでRoHS指令の規制対象となり、近年は色調は違いますが、後述の三価ホワイトに置き換えられつつあります。 |
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黒色クロメート | 電気亜鉛メッキをした後に、硝酸銀を含んだ溶液でクロメート処理を施して、耐食性、装飾性を向上させています。色調は黒色です。BCと略称で呼ぶ場合があります。通常は鉄に施されます。 六価クロムを含有しているのでRoHS指令の規制対象となり、近年は後述の三価ブラックに置き換えられつつあります。 |
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三価ホワイト | 電気亜鉛メッキをした後に、三価クロム化成処理を行います。六価クロムフリーでユニクロの代替品として開発された環境対応表面処理の防錆皮膜。塩水噴霧試験でユニクロよりも耐食性に優れています。通常は鉄に施されます。 三価ホワイトの他に、三価クロメート等の名称で呼ばれることがあります。 |
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三価ブラック | 電気亜鉛メッキをした後に、三価クロム化成処理を行います。六価クロムフリーで黒色クロメートの代替品として開発された環境対応表面処理の防錆皮膜。従来のクロメート処理に加えてトップコート処理が必要。塩水噴霧試験で黒色クロメートと同等以上の耐食性が得られます。通常は鉄に施されます。 |
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ニッケル | 通常、下地に銅メッキし、その上にニッケルメッキします。下地が銅なので、ニッケルのつき回りがよくなります。薬品に強く耐食性良好で光沢もよいので用途は広い。装飾用としてネジ類の利用度は高い。通常は鉄や真鍮に施されます。 |
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クローム | 通称ガラクローム。正しくはクロム3号メッキ。下地にニッケルメッキをはり、その上にクロームメッキする。空気中で表面に緻密な酸化層をつくり、不動態化しやすいため長く光沢を保つ。光輝があるため外観良好です。通常は鉄や真鍮に施されます。 硬質クロームとは違ったメッキです。 |
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黒染 | カセイソーダに反応促進剤および染料を加えた水溶液を140℃前後に加熱沸騰させ、金属材料を浸漬させ、四三酸化鉄皮膜を生じさせる。鉄に施されます。 ねじ製品で「パーカー処理」と呼ぶ場合は黒染を意味することが多いです。メッキではなく表面処理の一種です。 |
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アルマイト | アルミニウムの表面に酸化皮膜を作り、耐食性、耐磨耗性を向上させるための表面処理です。メッキではありません。アルマイト処理をした後、着色することができ、装飾用に利用されます。 |
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4-1 ねじ用語(主にJISから抜粋)
ねじで使用される用語について、主にJIS B 0101から抜粋し、掲載しました。
ねじの規格 | 説明 | 参考図 | |
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つる巻き線 | 円筒または円すいの表面に沿って、軸方向移動と軸線の周りの回転角の比が一定であるような点が描く軌跡 |
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基準山形 | ねじ山の実際の断面形を定めるための基準となる理論上のねじ山形状。ねじの軸線を含んだ断面形についていうのが普通である。 |
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ピッチ | ねじの軸線を含む断面において、互いに隣り合うねじ山の相対応する2点を軸線に平行に測った距離。 |
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リード | ねじのつる巻き線に沿って軸の周りを一周するとき、軸方向に進む距離。 リードの量記号をLとすると、 一条ねじの場合:L=P 多条ねじの場合:L=n×P ここでnはねじの条数、Pはピッチ |
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山数 | 1インチ(25.4mm)あたりのねじ山の数。25.4mmをピッチで割った値。 |
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(おねじの)外径 | おねじの山の頂に接する仮想的な円筒(又は円すい)の直径 |
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(おねじの)谷の径 | おねじの谷底に接する仮想的な円筒(又は円すい)の直径 |
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めねじの谷の径 | めねじの谷底に接する仮想的な円筒(又は円すい)の直径 |
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(めねじの)内径 | めねじの山の頂に接する仮想的な円筒(又は円すい)の直径 |
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有効径 | ねじ溝の幅がねじ山の幅に等しくなるような仮想的な円筒(又は円すい)の直径 |
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呼び径 | ねじの寸法を代表する直径で、主としておねじの外径の基準寸法が使われる。 |
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ねじ山 | 二つの隣り合ったフランク間の実体部分。 |
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ねじ溝 | 二つの隣り合ったフランク間のくぼみの空間部分。 |
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フランク | 山の頂と谷底とを連絡する面。軸線を含んだ断面形では、一般に直線になっている。 |
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山の頂 | ねじ山の両側のフランクを連絡する面 |
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谷底 | ねじ溝の両側のフランクを連絡する面 |
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ねじ山の角度 | ねじの軸線を含んだ断面形において測った隣り合う二つのフランクがなす角度。 |
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ひっかかりの高さ | 互いに同心にはまり合うおねじとめねじとの軸線を含んだ断面形において、おねじの山の頂を連ねる直線と、めねじの山の頂を連ねる直線との間を軸線に直角に測った距離。 |
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ねじの呼び | ねじの形式、直径およびピッチを表す呼び記号。 例えば、 ”M10”は外径が10mmのメートル並目ねじ、 ”M8×1”は外径が8mmでピッチが1mmのメートル細目ねじ、 ”3/8-16UNC”は外径が3/8インチで25.4mmについての山数が16のユニファイ並目ねじを表す。 |
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はめあい長さ | おねじとめねじが互いに接触し、はまり合っている部分の長さを軸線方向に測ったもの。 |
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ねじ部 | ねじ部品のおねじ又はめねじの部分。 但し、円筒部をもつおねじ部品では、円筒部と完全ねじ部との境界にある不完全ねじ部はねじ部に含めず、ねじ先端部の不完全ねじ部はねじ部に含める。 全ねじ(軸部全体がねじ部で、円筒部がないもの)のおねじ部品では、首下部及びねじ先端部にある不完全ねじ部はねじ部に含める。 なお、ねじ先端部の面取り部は不完全ねじ部の一部である。 |
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完全ねじ部 | 山の頂と谷底の形状が両方とも完全な山形となっているねじ部。 |
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不完全ねじ部 | ねじの加工工具の面取り部又は食い付き部などによって作られた山形が不完全なねじ部。 円筒部をもつおねじ部品では、円筒部と完全ねじ部との境界部及びねじ先端部に、不完全ねじ部が生じる。 全ねじのおねじ部品では、首下部及びねじ先端部に生じる。 |
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面取り部 | おねじとめねじが食い付きやすくなるように、ねじ部の端に設けた面取りの部分。 |
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頭部 | おねじ部品の頭の部分。 |
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軸部 | おねじ部品の頭部を除いた部分。 |
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円筒部 | おねじ部品の頭部とねじ部との間にある部分。 首下丸み部及び不完全ねじ部は円筒部に含める。 |
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座面 | ねじ部品の締付けの際直接荷重を受ける面の部分。但しねじのフランクを除く。 |
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ナットの高さ | ナットの上面と座面との間の距離。 |
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二面幅 | ねじ部品のスパナをかける部分の互いに平行な二面間の距離。 |
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●お問い合わせ
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普段よく見かけるねじですが、手持ちのねじと同じねじが欲しいとき、どのようにして測定すればいいのか、どのように指定すればよいのか分からない方も多いのでないでしょうか。そこでこのページではねじの基本について解説をいたします。
このページでは、市場でよく流通しているねじについてご紹介しますので、すべてのねじを網羅しているわけではありません。あらかじめご了承ください。
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〇ねじの表面処理・材料・ねじの種類等に関連する雑学を、ねじの山崎が運営する「ねじの情報サイト」に、「ねじの雑学」として掲載しておりますので、そちらもご覧ください。