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メッキ種類
区分 | メッキ種類 | 画像 | 性質 | |
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電気メッキ | 亜鉛メッキ | クロメート | ![]() |
正しくは有色クロメート。亜鉛メッキ後、クロメート処理し、クロメート被膜を持たせている。クロメート被膜は黄色または黄褐色に近いほど耐食性がよい。 色の薄いものや緑を多く含んだ色は幾分耐食性が劣る。塗装の密着もよい。 |
ユニクロ | ![]() |
正しくは光沢クロメート。上記同様クロメート処理し、その後カセイソーダに浸せき。耐食性は有色クロメートより劣る。 | ||
黒色クロメート (BC) |
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亜鉛メッキ後、硝酸銀などの混じった溶液でクロメート処理する。銀が黒色を作っている。酢酸系とリン酸系の2タイプあり、酢酸系は仕上りは綺麗だが耐食性が悪い。リン酸系は耐食性はあるが、色が悪い。酢酸とリン酸をまぜる場合もある。耐食性は有色クロメートより劣る。 | ||
三価ホワイト | ![]() |
六価クロムフリーでユニクロの代替品として開発された環境対応表面処理の防錆皮膜。塩水噴霧試験でユニクロよりも耐食性に優れている。近年流通量が増えている。 | ||
三価ブラック | ![]() |
六価クロムフリーで黒色クロメートの代替品として開発された環境対応表面処理の防錆皮膜。従来のクロメート処理に加えてトップコート処理が必要。塩水噴霧試験で黒色クロメートと同等以上の耐食性が得られる。 | ||
ニッケル | ![]() |
下地に銅メッキし、その上にニッケルメッキする。下地が銅なので、ニッケルのつき回りがよくなる。薬品に強く耐食性良好で光沢もよいので用途は広い。装飾用としてネジ類の利用度は高い。 | ||
クローム | ![]() |
通称ガラクローム。正しくはクロム3号メッキ。下地にニッケルメッキをはり、その上にクロムメッキする。空気中で表面に緻密な酸化層をつくり、不動態化しやすいため長く光沢を保つ。光輝があるため外観良好である。 | ||
スズコバルト | ![]() |
代用クロームで、スズとコバルトの合金被膜を貼る電気メッキ | ||
真鍮メッキ | ![]() |
銅と亜鉛の合金メッキ。メッキ後変色しやすい。 | ||
無電解メッキ | 無電解ニッケル | ![]() |
複雑な形状に対しても膜厚のムラなく均一にメッキができる。機械的特性、電気的特性、物理的特性が評価されて、さまざまな分野で利用されている。 | |
溶融メッキ | ドブ | ![]() |
溶融亜鉛メッキ。どろどろ溶かした亜鉛の中にどぶっと漬けて着けるメッキ。コストの割に優れた耐食性があるが、メッキ厚はかなり厚く表面はデコボコしているため、雌ネジの方はオーバータップにしておく必要がある。また製品同士がくっついてしまうことがある。 | |
化成処理、熱処理 | クロメート処理 | クロム酸、重クロム酸塩を主成分とする溶液に浸漬することにより防錆皮膜を生成させる処理。上記のユニクロ、クロメート、黒色クロメートが有名。 | ||
黒染 | ![]() |
カセイソーダに反応促進剤および染料を加えた水溶液を140℃前後に加熱沸騰させ、金属材料を浸漬させ、四三酸化鉄皮膜を生じさせる。通常ネジ製品でのパーカー処理は黒染を行っている。 | ||
パーカーライジング | 金属材料を燐酸塩水溶液に浸漬し、燐酸塩皮膜を生成させる。通常、塗装の前処理として行われる。パーカーと略される。 | |||
BK(ステン) | ![]() |
薬品により黒色に着色 | ||
GB6号(ステン) | ![]() |
熱処理により茶色に(テンパーカラー) | ||
GB4号(ステン) | ![]() |
熱処理により茶色に(テンパーカラー) | ||
GB2号(ステン) | ![]() |
熱処理により茶色に(テンパーカラー) | ||
塗装、コーティング | ダクロタイズド | ![]() |
主成分の亜鉛と、介在の役目を果たすクロム酸塩を含んだダクロタイズド処理液に浸漬塗装した後、加熱し素地に焼付ける。電気亜鉛メッキと比較すると耐食性、耐熱性が優れている。 | |
ジオメット | ![]() |
ダクロタイズドの環境対応メッキ(ノンクロム) | ||
ディスゴ | ![]() |
燐片状亜鉛を主成分とするベース塗料と、有機(エポキシ)または無機(珪酸塩)の樹脂を主成分とするトップ塗料を被処理物に浸漬またはスプレーで塗布後180℃から300℃で加熱処理される。クロムフリーで、水素脆性による遅れ破壊が生じない。 | ||
ラスパート | ![]() |
第一層に金属亜鉛層、第二層に高耐食性化成皮膜層、第三層にセラミック系材料を使った表面焼成層からなる高耐食性表面処理。これら3層の相乗作用により卓越した耐食性能が得られる。 |
ねじに施される主な表面処理を紹介します。
表面処理を施していないものをねじ業界では「生地」と呼んでいます。しかしながら、六角穴付ボルトのように焼き入れしているボルトは表面が黒色酸化被膜ですが、「生地」と呼ぶときがあります。 詳細はお問い合わせ下さい。
表面処理の関連情報等、ねじの基礎知識をこちらで解説していますので参考にしてください。
ねじ業界では下記の「黒染」のことを「パーカー(パーカライジング)」と呼ぶことがあります。そのため表示が「パーカー」であっても実際には「黒染」であることが多いです。